résumé 1970-2016

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渇き

幼き頃からの渇望は
音に揺蕩い
舌で喜び
言葉に酔い
美しさを愛で
触れて快い
そんなもの

幼き頃からの渇望は
傷に触れ
やさしく撫で
爪を立て
血が滲み
痛みを感じあう
そんなもの

幼き頃からの渇望は
ずっと欲しくて
ずっと得られず
めぐりめぐって
気がつくと傍にあり
いつしか触れていた
そんなもの
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by murasakitsukumo | 2005-11-27 20:59 |

月夜のふたり

わたしの立つ場所に
走り来る君
昨日も走り
今日も走り
わたしはただ黙って
走る君を見ている

あがった息は
もう落ち着いて
静寂に包まれる瞬間
白黒のグワッシュに
溶け込むような
月夜のふたり
青い顔した柱時計が
満ちた時を告げる

光の世界と闇の世界と
表裏を生きるふたり
太陽に向かって昇るとき
月に向かって降りてゆく
表の赤より裏の青を愛し
冷たい月に寄り添って
見上げる空には黒十字

天使の羽根が頬をかすめ
わたしの顔は俄に破れた
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by murasakitsukumo | 2005-11-24 03:48 |

結実

木枯らし吹いて
実がなった

小さな実は
何も言わない
小さいけれど
生まれる力を
静かに湛えて
厳しい季節を
これから迎える

小さな実は
何も問わない
小さいけれど
実のなかに
温かい芽を孕み
生まれ出る季節を
確実に予感する
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by murasakitsukumo | 2005-11-14 10:26 |

あゆみ

自信に満ち溢れてなどいない
臆病な足痕がポツリポツリと
わたしの背後に連なっている
迷いなく でも確信もない
小さな足跡が連なっている
踏み出す一歩は重いか軽いか
裸の足を下ろす先は氷か沼か
なんであれ あげた足は
下ろさなければならない
希望なんて言葉は忘れた
でもまた足をあげては下ろす
なぜなら
形のない何かを見ているから
身体の深くで何かを感じているから
たぶん何かには近づいているから
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by murasakitsukumo | 2005-11-10 02:56 |

黄昏

誰そ彼どきは
わたしの一部が
少しだけ壊れるとき
陽が沈み 意識の裏側から
ゆがんだ異次元が顔を出す

誰そ彼どきは
世界の均衡が
少しだけ崩れるとき
目には見えない遠くの国から
悲痛な叫び声が聴こえる

誰そ彼どきは
きみの一部が
少しだけ変わるとき
つくり笑顔の隙間から
ひとつの暗い仮面が姿を現わす

わたしも
世界も
きみも
いくたび死んでは生き返る
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by murasakitsukumo | 2005-11-02 10:53 |

L'ame aussi,si elle veut se reconnaitre, devra regarder une ame (Platon)
by murasakitsukumo
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