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résumé 1970-2016

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懺悔

重い罪を背負い
わたしは自由にはならない
わたしの薄い肩には重すぎると感じられても
それは その罪が犯される以前から
ずっと重くあったのだ

いつか許されるのなら
それは罪とはいわない
自由意思で背負うと決めるなら
それは罪とはいわない

罪はわたしを決して放さない

だから
わたしは懺悔もできない
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by murasakitsukumo | 2005-06-30 08:51 |

引き攣れ

彼女の心には
欠けているものがありすぎる
憎しみがない
羨望がない
野心がない
嫉妬がない
後悔がない
憤怒がない

彼女の心には
人間らしい情熱がない

透明すぎる輪郭は
無味無臭の物体をやり過ごし
大きすぎる編み目は
こまかい情けの粒粒を
掬ってやることもできない

彼女の心には
人間らしい情熱がない
あの真っ白に引き攣る月のように
冷感と倦怠だけが
表面に浮かんでいる
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by murasakitsukumo | 2005-06-29 17:52 |

献身

あなたにすべてを与えたい
わたしの心をではなくて
そんな小さいものですらなくて
わたしの存在から迸りでることをやめない
愛のすべてを与えたい
あなたに

あなたに何もかもしてあげたい
わたしにできることの限りを
ときにはあなたのすぐ隣で
そうでなければ時間と記憶の彼方から
わたしの小さな手が紡ぎだす
行ないの限りを与えたい
あなたに

わたしのうちに溢れる愛の天使たちを
あなたのもとに届けたい
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by murasakitsukumo | 2005-06-29 00:53 |

美しい人

その美しい人は
これ以上ないほどエレガントに
わたしの前に現れた

短すぎる時
曖昧すぎる会話
美しすぎる出会い

その美しい人は
臆することなく あまりに自然に
わたしの前に現れた

ただの偶然
ただの気まぐれ
ただの勘違い

愚かなわたしは
その美しさに怯えて
逃げるように去ってしまった
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by murasakitsukumo | 2005-06-29 00:52 |

Cocoon

ふたりは語らう
雑音を吸収する毛羽立つ繭の密室で

ふたりは接吻する
キラキラの絹糸の天蓋に覆われて

ふたりは抱きしめ合う
柔らかな乳色の球形にピタリと身をおさめて

静寂
安らぎ
優雅
やさしさ
純粋
温もり
尊さ
湿り気
そして烈しい愛

ふたりのお気に入りのすべてが
この繭のなかにある
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by murasakitsukumo | 2005-06-29 00:50 |

目の前に居る人
そこに居る間に
すべてを心と体に刻みたいと思うのに
時が残酷に 急いで流し去ってしまう

確かなものは何?
隙間だらけのシナプスに苛立ち
あわてて追いかける可哀想な記憶

求めて得られたものは何?
手に入るものに価値などなく
幻にほんとうの美しさをみる

過ぎた時間を物語るのは
虚しい心の嘆きと
体の奥に残る存在のカケラ

確かに ここに
あなたは居たはずなのに
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by murasakitsukumo | 2005-06-26 11:32 |

秘事

しめやかなる宵の饗宴
清められたる薄化粧の華
どうぞ 貴方のお気に召しますように

美酒は尽きることなく
しとど涌き出で
貴方は酔うにまかせて
われを飲み干す

この宴の招かれ人は貴方おひとり
闇に閉ざされし鉄格子の窓
誰かうちなる秘密の享楽を知らん
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by murasakitsukumo | 2005-06-25 02:17 |

恋文

涙に暮れる 逢魔が時に
届いた 貴方からの恋文
涸れたはずの涙は 
喜びとともに再び溢れだし
わたしの魔物を押し流しゆく

清らかな夜よ
絹のようにそっと滑り込め
魔物が明渡したわたしの内へ
愛しい貴方の陶酔のまなざしが織りなす
絹のような夜よ

そしてわたしは蝋燭を灯す
赤い焔は貴方の書斎を照らし
わたしの恋を
その壁に影絵のようにゆらめかせ
貴方をそっと見守り
そっと語りかけるように
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by murasakitsukumo | 2005-06-24 11:15 |

病巣

せつなくて せつなくて
あまりにせつなくて
この胸をナイフで切り裂きたい
このなかに一体何が巣食っているのか
それは血みどろの柘榴か
あるいは
血の気を失った青色のダイヤモンドか

せつなくて せつなくて
ただせつなくて
わたしは 息も絶え絶えの
瀕死の白鳥のように
打ちのめされて 首をうなだれ
地の一点を見つめたまま
凍りつくしかない

せつなさよ
胸に巣食う病魔よ
容赦のないその横顔に
やさしい笑みが浮かぶ日はくるのか
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by murasakitsukumo | 2005-06-23 19:39 |

目と目みつめあえば 苦しみから逃れられるのか
からだ触れあえば 思いは満たされるのか
深く言葉交わせば こころ落ち着くのか
きっとそうじゃない

わたしが求めるものは

求めれば求めるだけ遠のく何か
それは幻ではなく
確かにそこにあるもの
それはわたしを弄ぶかのように
つかみどころなく
それでいて 
深海に潜む
朽ちたタイタニックのように
いまなお威厳を放ち
無限の重量を感じさせる何か

海の底に眠る 何者かの記憶
忘れられ 置き去りにされ
青く淡く光りつづける魂の涙

わたしのなかにそれを見つけ
ある人のなかにそれを探す
けれども
その姿すべてを二度とあらわすことのない何か
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by murasakitsukumo | 2005-06-23 12:31 |

L'ame aussi,si elle veut se reconnaitre, devra regarder une ame (Platon)
by murasakitsukumo
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